上品でクラシカルな純白の『裳』/お客様のお声もご紹介します|装束ご納品事例

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この記事では、今回お客様にお納めさせて頂いた平安時代の女性の正装に欠かせない「裳(も)」をご紹介します。

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“Mo” is part of the formal dress “Junihitoe” for aristocratic women during the Heian period.
Women’s costumes in the Tale of Genji

「裳(も)」

そもそも『裳(も)』とは

「裳」は「十二単」の一部で、裾を長く引いた優雅な衣は、皆さんがご存知のものに例えると、ウェディングドレスの長い裾「ロングトレーン」のようなイメージをご想像頂いてはいかがでしょうか。

「十二単」といえば平安時代の貴族女性の着物ですが、正式には「五衣唐衣裳(いつつぎぬからぎぬも)」と呼ばれ、十二単という呼び方は、実は近世になってからのものです。(この記事では便宜上、これ以降十二単と記述します)

十二単は何枚もの衣(着物)を重ねた装束ですが、実際に12枚着ていたわけではなく、源氏物語が描かれた時代には衣の数に決まりはありませんでした。12枚より多く着ていたり、少なかったりしても、十二単となり、「多く(の衣)」ということを「十二」という大きな数で表したものと言われています。

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ウエディングドレスから長く引いたトレーンのような優雅さ ”Mo”

十二単は平安時代「女房装束(にょうぼうしょうぞく)」と呼ばれており、高貴な人に仕える女官(女房)が着ていた衣装で、現代で言えば正装(フォーマルウェア)となります。日常、唐衣(からぎぬ:上記写真の一番上に来ている赤い装束)という衣は省略することもあったようですが、裳だけは必ず着ていなければなりませんでした。

この唐衣を着ず裳を着けた姿は準正装とされ、主従関係でない場合でも上下関係を表す重要アイテムでした。
源氏物語の三十五帖「若菜下」で、源氏の君を中心とした女性達が音楽演奏(女楽)をする場面では、最も身分の低い「明石の君」だけが裳を着用しています。これは「女三の宮」「紫の上」「明石の姫君たち」などの上の立場の方々に対して、自身は低い立場であるという態度を裳を着けるということで表しています。

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今回ご納品「白色三重襷地文(しろいろ みえだすきじもん)の裳」

「十二単がほしいな」と思っても、全ての衣を一度に揃えるということは大変高額となり、なかなか大変なことです。
そこで菊理は一度にそろえるより「一品ずつ増やす楽しさ」をご提案しています。

「まずは小袖と袴だけ」「とりあえず袿だけ」「今回は裳だけ」「今持っている袿と単衣の組み合わせから、違う色の単衣を仕立てて、色の組み合わせを楽しみたい」など、「少しずつ増えていくのが楽しい」「色目の組み合わせを楽しむ(重ねの色目)」といった楽しみ方をされる菊理のお客様は少なくありません。

平安の女性たちも、そんな楽しみ方をしていたのかもしれませんね。

White costume with “Miedasuki” pattern “Mo”

では今回お納めした「裳」の詳細をご紹介しましょう。
三重襷(みえだすき)の文様が織り込まれた、上品でクラシカルな純白の化繊織りの生地で仕立てています。化繊織りの生地で製作することにより、「お手入れが楽」で「正絹製より価格が抑えられ」、何より「発色がとても美しく」仕上がりました。

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「三重襷(みえだすき)」とは、三本の斜線の中に四菱を置いた文様をいいます。とても清楚で美しいですね。

白色のシンプルな裳は、ビビットな濃い色目の袿や唐衣に合わせても、反対に淡いパステルカラーの装束にも合わせやすいので、コーディネートの幅が広く、最初にお揃えになる裳としておすすめです。

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お客様のお声

お客様からご感想をいただきましたのでご紹介します。とてもお喜びいただけたようで、とても嬉しく思います。

『装束の裳だけを作って頂きました。大変お世話になりました。有難う御座いました。又、小腰をつけて下さいまして有難う御座います。とてもキレイなオレンジ色でとても気に入りました。本当に有難う御座いました。御縁を持てました事、深く感謝致します。』

菊理がご提供する装束はすべて日本製(All made in Japan)。
化繊生地といえど、日本の織元で正絹と変わらぬ工程で織られ、文様(生地の模様)も伝統の有職文様を織り込んでいます。
そのように丁寧に織られた装束生地を、日本の装束職人が、真心込めて丁寧に仕立てますので安心してご購入ください。

「装束がほしいんだけど、何をどのように注文して良いか分らない」という方のために「色柄」「仕立て方」などの細かな希望や「ご予算」を親切丁寧にお伺いして「あなただけの一着」をお仕立てします。

装束は専門用語が多く、分かりづらいことも多いかと思います。
メールなど文字や文章ではニュアンスが伝わらなかったり、誤解や思い違いなども起こりやすいので、
お電話や、Zoom、LINEなどのオンラインでもご対応させて頂きます。

できるだけ専門用語を使わず、どんな小さなご質問でも、何回でも、とことんお答えします。
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