「雅楽教養研修会:雅楽ってなぁに?」第1部後半:絃楽器・打楽器編/京都府神社庁主催事業|雅楽セミナー事例
▷今回の記事は前記事『京都府神社庁主催事業「雅楽教養研修会:雅楽ってなぁに?」第1部:管楽器編』 の続きとなります。
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菊理は「雅楽の楽器体験」「平安時代の宮廷装束の着付け体験」「雅楽文化講座」などを得意としており、大学のゼミや特別講義、平安文化の講座を全国各地で開催しています。
このたび、京都府神社庁様よりご依頼頂き、『雅楽教養研修会:雅楽ワークショップ』を企画開催、併せて外部講師を務めさせて頂きました。今回は夏休み期間中ということもあり、お子さんにも参加して頂きたいとの趣旨から、お子さんにも分かりやすいよう資料やプログラムを組みました。
第1部 『雅楽ってなぁに?』:雅楽の解説(お話)
第2部 『雅楽やってみよう』:雅楽の楽器体験
として、二部構成で行ったワークショップのうち
今回の記事では第1部の後半『絃楽器、打楽器の解説と演奏鑑賞』をご紹介いたします。
開催日時:令和5年8月11日(金・山の日)13時30分~16時
会 場:京都府神社会館講堂
第1部「雅楽ってなぁに?」雅楽の解説
内容
1. とても珍しい雅楽の楽器
2. 楽琵琶ってどんな楽器?
3. 打楽器3種類を見てみよう
4. 楽器クイズ「鼉太鼓(だだいこ)」
5. 合奏を聴いてみよう!
その他
1. 第1部の概要
とても珍しい雅楽の楽器
雅楽は最古のオーケストラとも言われるように「管楽器」「絃楽器」「打楽器」で構成されており、雅楽の合奏での絃楽器としては「楽琵琶(がくびわ)」「楽筝(がくそう)」の2種類が主に使われ、これらの絃楽器は「演奏のテンポ」を担当します。
打楽器としては「鞨鼓(かっこ)」「楽太鼓(がくだいこ)」「鉦鼓(しょうこ)」の3種類が主に使われ「演奏のリズム」を担当します。
楽琵琶ってどんな楽器?
現代日本の琵琶楽では「平家琵琶」「薩摩琵琶」「筑前琵琶」など様々な琵琶が使われますが、その中でも雅楽で使われる「楽琵琶(がくびわ)」は最も大きな琵琶です。ギターのように楽器を横に構えますが、重さは7~8kgほどもあり、ずっしりとしたとても重い楽器です。反対に絃を弾く「撥(バチ)」はとても小さく、ご飯をよそう ”しゃもじ” と同じ位のかわいいサイズ。
参加者の皆さんには、実際に楽琵琶の撥を持って頂き、小ささを体験していただきました。
また、雅楽の箏は「楽筝(がくそう)」と言い、現在の山田流や生田流で使われる箏「俗筝(ぞくそう)」より糸(絃)が太く「箏爪(ことづめ)」の形や構造も異なります。
今回の講座では「楽琵琶」も「楽箏」も実物をご用意できませんでしたが、次回はぜひ実物をご覧頂き、実際に音色をお聴きいただきたいと思います。
打楽器3種類を見てみよう
雅楽の合奏には「鞨鼓(かっこ)」「楽太鼓(がくだいこ)」「鉦鼓(しょうこ)」と言う3種類の打楽器が主に使われます。
続く第2部で打楽器の体験を予定していましたので、今回お配りした資料には「鞨鼓」「楽太鼓」「鉦鼓」3種類の打楽器のそれぞれの楽譜もお付けし、楽譜の読み方やそれぞれの打楽器の打ち方(叩き方)の簡単なレクチャーをしました。
楽器クイズ「鼉太鼓(だだいこ)」
雅楽の楽器の中でも滅多に見ることのできない珍しい楽器が「鼉太鼓(だだいこ)」です。高さは6m以上、マンションの2階ほどもあるとても大きな太鼓です。この鼉太鼓は基本的に左右で一対となるのですが、よく見ると左の太鼓と右の太鼓ではデザインなどが大きく違うところが3つあります。
さて、そこでクイズです!
どこが違うのかな? お子さんも興味津々で身を乗り出して答えてくれました。この記事をご覧の方も、一緒に考えてみてくださいね。
合奏を聴いてみよう!
今回のワークショップでは京都府神社庁雅楽部会委員の方々にご協力いただき、第1部の最後に雅楽の代表曲「越殿楽(えてんらく)」の生演奏をご覧いただきました。
講座のはじめに写真やビデオの撮影は自由ですとお伝えしていましたので、演奏の模様をカメラやスマホで熱心に撮影されてみえる方も大勢いらっしゃいました。
第1部でご紹介した管楽器「鳳笙」「篳篥」「龍笛」、打楽器「鞨鼓」「楽太鼓」「鉦鼓」と絃楽器以外、全て揃った合奏は迫力満点。楽器の解説を聞いた後での鑑賞ですから「なるほど、合奏ってこんな感じになるんだな」とか、「合奏の仕組みが理解できた」などと好評でした。
第1部の概要
今回の記事では楽器解説のうち、後半の「弦楽器・打楽器と演奏鑑賞」を記事にしてご紹介しました。
次回の記事では、いよいよ「第2部:雅楽の楽器体験」。
近日中にアップしますので、お楽しみに!
雅楽は歴史が古く、さまざまな日本の風習、美術工芸、服飾文化、古典文学など日本の歴史や文化に大きな影響を与えています。
菊理は雅楽を音楽として聴くだけでは無く、
大人から子どもまで見ても楽しめ、
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雅楽二重奏「菊理」
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