祭祀舞「浦安の舞」桧扇の修理「綴じ糸切れ」「桧板の割れ」「金具の壊れ」「松飾り交換」など|桧扇修理事例④
菊理のホームページをご覧いただきありがとうございます。
菊理は神社で使われる祭礼用品や調度品の販売や修理のご相談を承っております。今回は祭祀舞「浦安の舞」で使われる檜扇の修理のご相談をご紹介します。

そもそも桧扇とは、複数のヒノキの薄板を糸で綴じた扇で、千年以上前の平安時代に誕生した日本発祥の扇子です。現在では、神社において巫女が「浦安の舞」などの祭祀舞を奉納する際に用いられています。
しかし、日常的に神楽舞や祭祀舞で使用される中で、
「綴じ糸が切れる」「持ち手の金具(要:かなめ)が壊れる」「板が割れる」「飾り紐が切れる」「彩色が剥がれる」など、壊れたり傷んだりすることは珍しくありません。
特に、多くの神社の祭礼では地域の子どもたちが舞姫として舞を奉納することが多いため、こうした道具の扱いに慣れない子どもたちが練習で繰り返し使ううちに、思わぬ故障や破損が生じてしまうことも少なくありません。
ご依頼
1. お客様のご依頼内容
2. 檜扇の修理内容
3. 修理不可の桧扇は処分するしかない?
4. ご納品と桧扇の取り扱い指導
5. お客様のご感想
お客様のご依頼内容

- 神社には9本の舞扇(桧扇)があるが、おそらく4本は大丈夫だと思う
- 今年は6名の舞姫(浦安の舞を舞う女子)が舞うので、最低でも2本は修理してお祭りで使いたい
- 今回は良い機会なので、修理できるものは全て修理してほしい
ご依頼頂いた神社は静岡県中部地域でしたので、まずは訪問し9本の桧扇の状態診断をした結果、
- 9本中4本は特に異常無く使用可能なので修理の必要は無い
- 残り5本は修理の可否及び修理箇所を細かく診断するため持ち帰り
神社へお伺いしたのは6月下旬でしたが、例祭は10月とのこと。秋のお祭りシーズンに向け修理のご依頼が立て込む前にと、修理品の桧扇を早速お預かりし、細かな状態診断と修理作業に取りかかりました。
檜扇の修理内容
お預かりした5本の桧扇の状態
- 綴じ糸が切れている:5本全て
- 桧板が割れている:4本中計8ヶ所
- 飾り紐の取付金具が壊れている:1本
- 松飾り(造花)が取れて無くなっている:3本
- 飾り紐が取れている:1本
さらに内1本は破損状態が酷く、修理不可能と判断せざるを得ませんでした。
①綴じ糸の付け直しと檜板の割れの補修


お預かりした5本の桧扇の内、4本の桧扇の糸を綴じ直し、割れた桧板の補修を行いました。
【修理後】

檜扇の綴じ糸修理について
檜扇は、一ヶ所でも綴じ糸が切れてしまうと、全ての糸を外し、新たに糸を綴じ直す必要があります。
もともと檜扇の絵柄は、完成した檜扇の上から彩色を施しているため、修理で綴じ糸を交換した場合、その上に再び色を重ねることはできません。そのため、修理後の檜扇の綴じ糸は白いままとなります(絵柄は桧扇の完成品の上から彩色しますので、綴じ糸修理の場合は糸の上に色を乗せることは出来ません)。
②壊れた金具の取り替え

【修理前(before)】
金具が壊れ、ゆるんでしまっている

【修理後(after)】
新しい金具に交換し、扇を綴じ直しました。
③新品松飾りの取付け

また、2面の桧扇には飾り紐は付いていましたが、松飾りがありませんでしたので、新たに新品の松飾りを取付けました。

※台座は別注品となります
④松飾りと飾り糸の移植付け替え

さらに、松飾りも飾り紐も付いていない桧扇がありました。そこで、下記でご紹介している「修理不可の桧扇」から松飾りと飾り紐を取り外し、この桧扇に付け替えました。
修理不可の桧扇は処分するしかない?

残念ながら1本の桧扇は以下の理由のため修理不可能でした。
- 糸の綴じ穴付近の損壊がひどい(穴が大きい)
- 桧板の一部が接着剤で固定されている
- 桧板の破損がひどい
「修理不可能な桧扇は処分するしかないの?」
いいえ、必ずしもそうではありません。
修理することはできなくても、「部品取り」として活用できる場合があります。壊れてしまった桧扇から「松飾り」や「飾り紐」など部品を取り外し、他の桧扇の修理や補修に役立てることができるのです。
実際に今回も、修理不可となった桧扇から松飾りと飾り紐を取り外し、別の桧扇に付け替えることができました。
ご納品と桧扇の取り扱い指導

お預かりした5本の桧扇は、最終的に4本を修理お納めし、修理を行えなかった1本については、そのままご返納となりました。

納品時には、修理箇所のご説明に加え、桧扇の紐の正しい取り扱い方法についてもご指導させていただきました。ご希望のお客さまには道具や調度品の取り扱いなどを納品時にご説明させていただいておりますので、お気軽にお問い合わせください。
お客様のご感想

ご納品時にいただいたお客様のお声をご紹介します。
お客様の声
❝桧扇を修理したいと思ったのですが、どこに頼めばいいのか分からず、インターネットでいろいろ探していました。そんな中で神社からそれほど遠くなく、菊理さんは直接相談できるのが安心でした。
宅配で送って終わりではなく、きちんと会って説明を受けられたことで、費用や修理の内容もよく理解でき、納得してお願いできました。やっぱりメールや文字だけでは伝わらないこともありますから、直接お話しできて本当に良かったです❞
◆桧扇修理事例ご紹介
ご相談について
菊理では、対面でのご相談やお話を大切にしております。メールや文字だけのやり取りでは、誤解や行き違いが生じることも少なくありません。
そのため、直接お会いするのが難しい場合には、ZoomやLINE動画を利用したオンラインでのお打ち合わせをおすすめしています。なるべく専門用語を使わずご説明させていただきますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
「檜扇の綴じ糸が切れてしまった」「金具が壊れてしまった」「ヒノキ板が割れてしまった」「糸飾りが切れた」「松飾り(造花)と飾り紐の色が褪せた(汚れた)ので取り替えたい」「お祭りまで日が迫っている」など、檜扇や舞扇のことは菊理にお任せください。
また「神楽鈴」「剣鈴」などの修理も承っております。「鈴が取れてしまった」「五色布が破れてしまった(色が褪せてしまった)ので新しくしたい」など、どうぞご相談ください。
できるだけ専門用語を使わず、どんな小さなご質問でも、何回でもお答えします。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
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