浦安の舞の桧扇「綴じ糸が切れてしまった」「要の金具が壊れてしまった」|桧扇(ひおうぎ)の修理事例
菊理のホームページをご覧いただきありがとうございます。
菊理は「桧扇(ひおうぎ)」の販売や修理についても、ご相談を承っています。
今回頂いたお問合せは、巫女舞「浦安の舞」で使う桧扇の修理についてでしたが
「神社のお祭りが2週間後に迫っているが、壊れた桧扇を修理できますか?」

「お納めした桧扇2面」
ご依頼
1. そもそも『桧扇(ひおうぎ)』とは
2. 檜扇の修理内容
3. 修理後の桧扇使用写真
そもそも『桧扇(ひおうぎ)』とは
みなさんは、「桧扇(ひおうぎ:檜扇)」をご存知でしょうか?桧扇は複数のヒノキの薄い板を糸で綴じた扇で、千年以上前の平安時代に日本で誕生した ” 日本発祥の扇子 ” です。平安時代の高貴な女性は顔をあらわにしませんでしたので、檜扇は顔を隠す必須アイテムでした。
現在では観賞用や十二単の持ち具としての他、神社の巫女さんが「浦安の舞」などご神前で舞を舞う時に使います。
「桧扇」は「檜扇」とも書き表しますが同じもので、場合によっては「袙扇(あこめおうぎ)」とも呼び、数え方は「面(めん)」とも「本(ほん)」とも数えます。

檜扇は伝統工芸品としても人気があり、鑑賞用として飾っているだけでしたら壊れることはほとんどありません。しかし神社で巫女さんが神楽舞などで日常的に使っていると「綴じ糸が切れる」「持ち手の金具(要)が壊れる」「板が割れる」「飾り紐が切れる」「彩色が剥がれてしまう」など、壊れたり傷んだりすることは珍しくありません。
今回修理のご依頼を頂いた桧扇は二面。それぞれの状態は
①綴じ糸切れ
②持ち手の要金具が壊れ扇面がバラバラになっている
といった症状でした。
「お祭りで使う浦安の舞扇の修理をお願いしたい」というメールが入ったのは10月の初頭。メールを確認した時、真っ先に思ったのは「今は秋のお祭りシーズン真っ只中。お祭りはいつなんだろう?」ということ。「時間が無いかもしれない、メールでは手遅れになるかも」と、すぐにご依頼主様にお電話をお入れしました。
やはり、舞扇を使わなければならないお祭りは2週間後とのこと。通常は修理に1ヶ月ほどお時間をいただいているのですが、一刻の猶予もありません。その日の内に修理品をお預かりし、早速修理に入りました。
檜扇の修理内容
①綴じ糸が切れてしまった

写真①:修理前(before)
綴じ糸が切れた状態

写真②:修理後(after)
新たに糸の綴じ直しをました
(絵柄は桧扇の完成品の上から彩色しますので、綴じ糸修理の場合は糸の上に色を乗せることは出来ません)
②金具が壊れてしまった

写真③:修理前(before)
金具が壊れ扇面がバラバラになってしまった。

写真④:修理後(after)
新しい金具に交換し、扇を綴じ直しました。お客様からは「(金具が変わって)返って豪華になったみたい。大満足です!「お祭りまで日が少なかったのに素早く対応いただきありがとうございました」とお喜びいただきました。(今回は檜板に割れなどの損傷が無かったため早急な修理が可能でしたが、損傷具合によってはお時間がかかったり、修理をお受けできない場合もございます)
修理後の桧扇使用写真
令和6年10月20日(日)愛知県の神社様の例祭にて。
美しく蘇った桧扇を手に、可愛い舞姫さんたちが「浦安の舞」を舞われる姿をどうぞご覧ください。


とても華やかで美しい舞姿ですね。桧扇の修理をご依頼頂いたご依頼主様にも大変ご満足いただけたようで、菊理も嬉しく思います。このたびはご依頼頂きありがとうございました。
「檜扇の綴じ糸が切れてしまった」「金具が壊れてしまった」「ヒノキ板が割れてしまった」「糸飾りが切れた」「糸花(造花)と糸飾りの色が褪せた(汚れた)ので取り替えたい」「お祭りまで日が迫っている」など、檜扇や舞扇のことは菊理にお任せください。
また「神楽鈴」「剣鈴」などの修理も承っております。「鈴が取れてしまった」「五色布が破れてしまった(色が褪せてしまった)ので新しくしたい」など、どうぞご相談ください。
できるだけ専門用語を使わず、どんな小さなご質問でも、何回でも、とことんお答えします。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
【禁】画像等の無断転載、無断使用は固く禁じます