雅楽楽器「笙」修理調律事例⑤「大きな法要まで1か月しかないが調律できますか?」調律のペースも解説|笙のお困り事は菊理にご相談ください

菊理のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

菊理は雅楽楽器の購入やメンテナンス、修理、普段のお手入れに関するご相談も承っています。

今回の記事では寺院のご僧侶からご依頼いただいた「笙の調律相談」を一例としてご紹介いたします。

雅楽楽器のご案内はこちらでご覧ください

「笙」に関するご相談は菊理にお任せください

ご相談内容

  • インターネットで購入した笙である
  • 煤竹本管※1
  • 6~7年前に購入
  • 購入してから何年も洗替調律※2 していない
  • 出づらい音がある
  • 空鳴り※3 がする音がある
  • 法要まで1か月しかないが間に合うか?

とのご相談を頂きました。お時間が限られておりましたので、まず笙をお送りいただき、急ぎ状態の診断を行いました。

※1 煤竹本管とは:何年も(場合によっては何十年も)囲炉裏などの煙で燻された竹を主材料に、プラスチックなどの樹脂材料を使わず製作された楽器

※2 洗替調律(あらいがえちょうりつ)とは:笙が音を鳴らすための簧(した:金属製リード)には青石(しょうせき)という鉱物の粉が塗布されており、定期的に塗り直しする必要がある。その際、調律もしなければならない

※3 空鳴りとは:笙の構造上、鳴ってはいけない音が出てしまうこと

『そもそも笙の音の鳴る仕組みって?』解説

雅楽楽器のご案内はこちらでご覧ください

雅楽楽器「笙」の分解写真(知識と技術の無い方は決して分解しないでください)

笙の外見を一言で言うと「両手で包むように支え持つ『頭(かしら)』という、黒いおわんのような部分に、17本の細い竹が差し込まれている」となります。

細い竹の根元(根継:ねつぎ)には笙が音を出す部品として「響銅(さはり)」という金属製の「簧(した:リード)」が付いています。現代の笙は17本の竹管のうち2本は音が鳴らない構造になっており、残りの15本の竹管がそれぞれ割り当てられた高さ(ピッチ)の音を出します。

このリードが息を吐いたり吸ったりすることによって振動し、竹管や楽器全体と共鳴して笙独特の澄んだ綺麗な音が鳴るのですが「音が出にくい」のはリードに問題がある場合が多いのです。

▷雅楽楽器についてのお問い合わせはこちらお問い合わせ

詳細な楽器診断

分解し判明したのが

  • 事前に伺った通り「煤竹本管」である
  • 外れているリードはなく、全て揃っている
  • 竹の状態をはじめとして全体の状態も良く、破損や欠損は見当たらない

など、お預かりした笙はまずまず良好な状態でしたので、「調律のみで音の異常は解消されますよ」とご説明の上、さっそく作業に入りました。

今回はこれといった修理の必要がなく、比較的作業時間に余裕があったこともあり、半月ほどでお客様にご納品でき「法要に間に合い、とても助かりました」とお喜びいただきました。

雅楽楽器のご案内はこちらでご覧ください

調律のペースはどのくらい?

洗替調律の頻度について、多くのお問い合わせをいただきますが「笙をどのように使うか」によって大きく変わります。

例えば

・熟練の演奏者で演奏機会が多い場合:半年から1年に1回ほど。

・舞楽などの激しい演奏を多く行った場合:数回の演奏後。

・ゆったりとした雅な管絃演奏が主な場合:1年から1年半に1回。

・あまり演奏しない場合:2~3年に1回程度。

・初心者で手入れや吹き方に慣れていない場合:1年目から2年目の間に。

などとお伝えしていますが、日頃の手入れ(楽器の保管状態やあたため方)、扱い方によって大きく変わりますので、気になる方はぜひ一度、菊理にご相談ください。

「音が出なくなった!」
突然そうなったように感じるかもしれませんが、実は少しずつ変化(悪化)していった結果です。しかし本番直前にこんな事態が起きたら大変!菊理では調律の際、不具合や修理が必要かなどのメンテナンス相談も承っています。ぜひ大事な楽器を永く楽しむために定期的な調律を心がけましょう。

▷雅楽楽器についてのお問い合わせはこちらお問い合わせ

日本の伝統品、工芸品は基本的に「壊れる」ことを想定して作られています。「鳴らないから」「音が出づらいから」そんな時でも諦めず一度菊理にご相談ください。修理費用をお見積りさせていただきます。

笙の修理事例

笙の不具合にはさまざまな原因があります。その他の事例をご紹介しますので、ぜひ下記リンクをご覧ください。

「遺品の古い笙」修理事例
「笙の温め方に問題があった」事例
「壊れた笙は捨てるしか無い?」事例
「2枚舌のプラ管」事例
自分で補修したが鳴りにくい

菊理は、長く笙を楽しんで使っていただけるよう、ご納品時には「日頃のお手入れ」や「メンテナンスの方法」をしっかりご指導させていただいています(希望者のみ)。

笙は和音の美しい優美な楽器ですがとてもデリケートな楽器です。日常的なお手入れと、定期的なメンテナンスを心掛けましょう。「音が出にくい」とお困りの方はぜひご相談ください。

「どのように笙を温めたらいいか」
「どのくらい温めたらいいか」
「今さら聞きづらいけど、これで良いのかな」

そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ菊理の オンラインレッスン をお役立てください。ZoomやLineに対応していますのでお気軽にご相談ください。

菊理は使われなくなった雅楽楽器や衣裳の買取りもしています。
お買取りさせて頂いた楽器や装束の一部は、雅楽普及のため「子ども向け雅楽教室」の体験用楽器、装束に活用しています。眠ったままの雅楽楽器や装束などでお困りの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。本管はもちろん、プラ管もお引き受けいたします。

雅楽菊理
文化庁「文化芸術による子供育成総合事業」協力芸術家
古物商許可証番号:愛知県公安委員会 第543952103200号