雅楽楽器「笙」修理調律事例⑥「音が鳴りにくい」「鳴らない音がある」時は菊理にご相談ください
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菊理は雅楽楽器の購入やメンテナンス、修理、日頃のお手入れに関するご相談も承っていますが、今回の記事では「音が鳴りにくい笙の修理調律」についてご紹介いたします。
内容
1. ご相談内容
2. 『そもそも笙の音の鳴る仕組みって?』解説
3. 状態診断
4. 修理・調整内容
5. 修理後の変化
6. 専門的手入れの重要性
7. 修理事例ご紹介
ご相談内容

「鳴らない音がある笙のメンテナンスは可能でしょうか」というお電話でのお問い合わせをいただきました。伺ったお悩みは
- 特定の音が鳴らない
- 笙を長年使用する中で、専門家のメンテナンスを受けていない
- ご自身の持ち合わせる道具で部分的な補修を重ねてきた
- 今回は応急処置ではなく、専門的な手入れを行いたい
というものでした。
早速、状況診断をさせていただきましたところ、一見、どこに不具合があるのか分からないくらい、大切にされているキレイな楽器です。しかし分解して笙の心臓部とも言える根付け部分をよく見ると、やはりご自身で補修された部分はひと目で分かる状態でしたし、炙り方(温め方)が不足気味で不均等だった様子が伺えました。
『そもそも笙の音の鳴る仕組みって?』解説

笙は、黒いおわんのような部分(=頭:かしら)に17本の竹が差し込まれています。現代の笙は17本の竹管のうち、2本は音が鳴らない構造になっているのですが、残りの15本の竹管の根元(根継:ねつぎ)に「響銅(さはり)」という金属製の「簧(した:リード)」が付けられていており、このリードが振動することによって、あの笙独特の澄んだ綺麗な音が鳴るのです。
「音が出にくい」のはリードに問題がある場合がほとんどですが、今回の笙の「音が出にくい」原因は、やはりご依頼主がご自身で補修された部分の不具合のようでした。
状態診断
お預かりした笙を専門の楽器職人が確認したところ、
「これまでに、ある程度の補修をしてきた痕跡が見られますね」との所見でした。
鳴らない音がある原因としては
- 簧(リード)の接着状態
- 簧に塗布された青石の状態
ですが、全体の状態としては
・簧の気密性
・経年による簧のバランスの崩れ
により、音の立ち上がりや安定性に影響が出ている状態でした。
修理・調整内容

笙専門の楽器職人が、専用の工具と工程を用いて洗替・調整を実施。
全音を個別に確認しながら、
- 簧の状態調整
- 気密の再構築
- 個々の音程(ピッチ)
- 鳴りのバランス調整
を行いました。
修理後の変化

修理後は、
- 鳴らなかった音、鳴りにくかった音も安定
- 息の入りが良くなり、無理なく音が立ち上がる
となり、本来の音色と機能を取り戻しました。また、ご依頼者様は壮年の男性でしたので、
- やや強めの息を入れても鳴り負けせず、笙本来の響きが安定して得られる状態
に調整させていただきました。
専門的手入れの重要性
笙は繊細な構造を持つ楽器であり、自己流の補修を重ねることで、一見問題が解消したように見えても、音色やバランスに影響を及ぼすことがあります。
違和感を感じた時点で、専門職人による点検・調整を行うことが、楽器を長く良い状態で保つための重要なポイントです。
- 音が出にくい
- 出ない音がある
- 息漏れがする
- 空鳴りする
こんなお悩みの方はぜひご相談ください。笙は和音の美しい優美な楽器ですがとてもデリケート。日常的なお手入れと、定期的なメンテナンスを心掛けましょう。
修理事例ご紹介
笙の不具合にはさまざまな原因があります。その他の事例をご紹介しますので、ぜひ下記リンクをご覧ください。
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