七五三の佳き日に。16cmの子ども用「絲鞋(しかい)」をお納めしました|装束納品事例
菊理のホームページをご覧いただきありがとうございます。
このホームページでは、お客様のためだけに特別にお誂えした装束や調度品など、特別な一点物の逸品の数々を、商品の一例としてご案内しています。
今回、あるお客様より大変珍しく、そして愛情のこもったご相談をいただきました。
お子様の七五三のお祝いに「源氏物語の青海波のシーンに登場する舞楽装束を着せてあげたい」
というお母様からの願いでした。
今回は、その装束の中でも特に手配が難しい履物「絲鞋(しかい)」の製作エピソードをご紹介します。

そもそも『舞楽(ぶがく)』とは
舞楽は、今から約1200年前の飛鳥・奈良時代から平安時代にかけて、中国大陸や朝鮮半島、インドなどから伝わった音楽と舞踊が、日本の文化と融合して形作られたものです。平安時代には宮廷の儀式や宴に欠かせないものとなり、貴族たちの教養や娯楽として深く愛された、非常に格式高い芸能です。
今回、七五三用にお仕立てした「絲鞋(しかい)」は、この舞楽の装束で用いられる、優雅な履物です。

※撮影のため「緌(おいかけ)」を外しています。
※屋外では通常、絲鞋の汚れを防ぐため上から透明なビニールを被せて着用しています。
どこにも断られてしまった「絲鞋」へのこだわり
お客様はお子様の七五三のために
「源氏物語に登場する『青海波』のような衣装を着せてあげたい」
と思われ、さまざまにご準備されていましたが、どうしても一ヶ所だけ、手配が叶わないものがありました。それが足に履く「絲鞋(しかい)」です。

絲鞋は、一般的な靴とは構造も製作工程も全く異なる特殊な履物です。 「子ども用は取り扱っていない」「製作を引き受けられない」と、いくつもの専門業者に断られ、困り果てて菊理へ辿り着かれました。
お子様のサイズに合わせたオーダーメイド

菊理が製作するのは、実際にプロの舞い手が舞台で使用する「本物」の仕様です。 今回は、わずか16cmというお子様の足サイズに合わせて、一から設計・調整を行いました。
小さくなっても、絲鞋特有の気品あるシルエットはそのまま。熟練の技術を注ぎ込み、手のひらに乗るような愛らしい、けれど「本物」の絲鞋が完成しました。
動画とアフターケア

絲鞋は現代の靴とは履かせ方が異なるため、納品時には「履かせ方のレクチャー動画」を添えてお送りいたしました。あわせて、繊細な絲鞋を長く美しく保つためのお手入れ方法や取扱上の注意点も細かくお伝えしました。
納品後、お母様からはこのような大変嬉しいお言葉をいただきました。
「まさに思い描いていた絲鞋で、感無量です。動画も確認できましたので、当日しっかりと履かせることができます!」
私どもにとっても、お客様の理想を形にできたことは大きな喜びです。
伝統を未来へつなぐお手伝い
七五三という一生に一度の節目。日本の伝統美である舞楽のスタイルを選ばれたその深い想いに、技術でお応えできたことを光栄に感じております。菊理では、プロ仕様の装束製作はもちろん、特別なサイズ調整やオーダーメイドのご相談も承っております。
「伝統的なものを、大切な行事に取り入れたい」 そんな願いをお持ちの方は、ぜひ一度菊理へご相談ください。
16cmの小さな絲鞋が、お子様の健やかな成長の歩みを明るく照らすことを願っております。
装束は専門用語が多く、分かりづらいことも多いかと思います。
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