菊理の『雅楽の楽器解説シリーズ③ 龍笛ってどんな楽器?―「天地を翔ける龍の声」を奏でる楽器』|イチから習える雅楽教室

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雅楽の演奏で、横に構えて吹く細長い竹の笛。

その音色は、澄んだ高音から力強く迫力のある響きまで、実に豊かな表情を持っています。

この横笛が「龍笛(りゅうてき)」です。

「龍笛」という名前からも、どこか神秘的な印象を受けますよね。今回は、雅楽を初めて知る方にもわかりやすく、龍笛がどんな楽器なのか、その魅力をご紹介します。

左が「龍笛(りゅうてき)」右が「笙(しょう)」

龍笛の音色の特徴

「龍笛(りゅうてき)」という名前から、力強く迫力のある音を想像する方も多いかもしれません。もちろん、龍笛には芯のある力強い音もあります。

けれど、龍笛の魅力はそれだけではありません。

澄んだ音色、繊細な息づかい、軽やかに跳ねるような音。そして、メロディを奏でる三管(さんかん)の中でも、その音色が一番遠くまで届く「遠鳴りのする音」。

篳篥(ひちりき)が奏でる主旋律を彩るように、キラキラと音色を飾る装飾音を加えながら、個々の楽器が奏でる音の世界を大きく広げていきます。

※三管とは、雅楽の管楽器(かんがっき:吹奏楽器のこと)である笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)の総称

龍笛の歴史とルーツ

龍笛は古代に大陸から伝わった横笛(よこぶえ・おうてき)をルーツとしています。

そもそも雅楽は、ペルシャ(現在の中近東)や中国、朝鮮半島、インド、ベトナムなど、さまざまな地域の音楽を源流としています。それらが仏教や各地の文化とともに遥かなシルクロードを経て、アジアの国々を経て、古代の日本にあった音楽と融合して、日本独自の雅楽として形づくられていきました。

龍笛もまた、こうした長い歴史の中で日本に伝わり、雅楽の楽器として定着していったものです。また、龍笛は「能管」や「篠笛」など、日本の横笛の祖先のひとつともいわれています。

長い歴史の中で、人から人へと受け継がれてきた音。

そう考えると、龍笛の音色もまた、少し違って聞こえてくるかもしれません。

龍笛の構造

龍笛は主要部分が竹で作られ、樺(桜の皮)や籐を細く加工したものを巻き付けた横笛で、

長さは40cmほど
太さは太めのものから若干細めのものもありますが、概ね3cm前後が多いようです。

「歌口(うたぐち)」と呼ばれる吹き口と、7つの「指孔(ゆびあな)」があり、指孔を開けたり閉じたりすることで音の高さを変えます。

雅楽で使われる横笛には、龍笛のほかにも高麗笛(こまぶえ)や神楽笛(かぐらぶえ)があります。その中でも龍笛は一番太く、雅楽の多くの曲で使われる代表的な横笛のひとつです。

龍笛は、一見するとシンプルな竹の笛に見えますが、力強く、遠くまで響く音を生み出すための工夫が施されています。本体には漆が塗られ、歌口より頭側の管の中には鉛が埋め込まれています。

こうした工夫によって龍笛独特の「芯のある音」が生まれ、龍笛の音が空間にまっすぐ伝わり遠くまで届く「遠鳴り」につながっています。

どうやって音が出るの?

龍笛は、歌口に息を吹き込むのではなく、歌口の音が鳴るポイントに息を当てることで音を出します。

「笛だから、吹けば音が出る」と思われるかもしれません。ところが、龍笛は最初から簡単に音が出る楽器ではありません。

息を当てる角度、息の強さ、唇の形など、ほんの少しの違いで音が出たり出なかったりします。特に龍笛は、力いっぱい吹けばよいというものではありません。少しずつ角度や息の使い方を探りながら、音が出るポイントを見つけていく。その繊細な感覚も、龍笛を吹く面白さのひとつです。

そして、龍笛は音域が広いことも特徴です。

篳篥の音域がおよそ1オクターブ少しなのに対して、龍笛は2オクターブ以上の音域を持っています。響きのある低い音から澄んだ伸びのある高い音まで、幅広い音を使って、さまざまな音の表情をつくることができるのです。

龍笛の音色は「天地を翔ける龍の声」

雅楽では、篳篥が主旋律を奏でます。その旋律に寄り添いながら、龍笛は高い音や細かな動き、キラキラとした装飾音を加えていきます。

主旋律の周りを軽やかに舞うように音を重ね、旋律を彩っていく。だからこそ、龍笛の音を聴いていると、音が一か所にとどまらず、空間を自由に動き回っているように感じられることがあります。

雅楽の三管には、それぞれ象徴的なイメージがあります。

笙は「天空からの光」。

篳篥は「大地に生きる人間の声」。

そして龍笛は、

「天地を翔ける龍の声」。

天から光が振りそそぎ、大地から人の声が響き、その間を龍が翔けていく。そんな三つの楽器の響きから、古代の人々の宇宙観を感じることができるでしょう。

龍笛の演奏を見てみたいと思ったあなたへ

龍笛は、写真や映像で見るだけでなく、実際に目の前で見ると、また違った魅力があります。

・澄んだ、伸びやかな音色
・意外な音の鋭さと響き
・繊細な指使いや軽やかな演奏すがた

画面から流れてくる音からでは分からない龍笛の魅力。

「実際に雅楽を聴いてみたい」
「龍笛を近くで見てみたい」

そんな方におすすめしたいのが、菊理の「出張雅楽演奏プラン」です。

菊理の出張演奏では、龍笛だけでなく、笙(しょう)や篳篥(ひちりき)など、さまざまな楽器の音色を一緒に楽しむことができます。

※最初は笙の二重奏から始まり→02:34 笙と龍笛による「越殿楽」03:16 篳篥と龍笛による「越殿楽」03:51 篳篥と笙による「越殿楽」04:32 龍笛と笙による「越殿楽」

菊理では、企業・団体のパーティー演奏、各種イベント、学校や文化施設の催し、神社仏閣など、さまざまな場所へ出張して雅楽を演奏しています。

会場の雰囲気や目的に合わせて、雅楽の演奏だけでなく、楽器や雅楽の歴史についてのお話を交えたプログラムもご用意しています。普段なかなか見る機会のない笙を、実際に目で見て、その音色を耳で感じる。

雅楽をもっと身近に感じていただくきっかけとして、日本唯一、夫婦のプロ雅楽演奏ユニット「菊理の出張演奏」をぜひご利用ください。

「雅楽を聴いてみたい」というお気持ちから、雅楽との出会いが始まるかもしれません。

龍笛を習ってみたいと思ったあなたへ

対面レッスン

対面レッスンは講師から直接学ぶことができるレッスンです。姿勢や楽器の構え方、息の使い方など演奏の基礎はもちろん、楽器の扱い方、保管方法、長く楽しむためのコツなど、文章や動画だけではわかりにくいところも、一つ一つ確認しながら進めていきます。

「雅楽を習うのは初めて」という方も優しくていねいに学べますので、どうぞご安心ください。お一人様はもちろん、お友達同士や親子での受講も可能です。

また、楽器をお持ちでない方は「龍笛スタートセット」をご用意しています。お気軽にお問い合わせください。

オンラインレッスン

「近くに雅楽教室がない」「通う時間がなかなか取れない」――そんな方には、オンラインレッスンをご用意しています。

パソコンやタブレットを使って、ご自宅などから受講できます。遠方にお住まいの方や、さまざまな事情で外出が難しい方も、ご自身のペースやスケジュールに合わせて、無理なく雅楽を学んでいただけます。

「雅楽を習ってみたいけれど、近くに教室がない」

そんな方にも、雅楽を学ぶ機会を届けたい。それが、菊理がオンラインレッスンを行っている理由の一つです。

グループレッスン(雅楽ワークショップ千里)

「雅楽に興味はあるけれど、どこで習えるのか、体験できるのか分からない…」
そんな方は、ぜひ菊理がプロデュースする雅楽愛好者衆千里の「雅楽ワークショップ」へお越しください。私たちは、日本の伝統文化をより身近に、楽しく繋いでいくお手伝いをしています。

千里の雅楽ワークショップは現在、全国5会場で開催しています。(令和8年9月現在)

  • 芦屋雅楽ワークショップ(兵庫県芦屋市:芦屋神社)
  • 京都雅楽ワークショップ(京都市:安井金比羅宮)
  • 豊橋雅楽ワークショップ(愛知県豊橋市・前芝校区市民館)
  • 浜松雅楽ワークショップ(浜松市・あいホール)
  • 静岡雅楽ワークショップ(静岡市・西部生涯学習センター他)

今回の記事では、龍笛の歴史やルーツ、音色、ふしぎな魅力、雅楽に触れる機会などをご紹介してきましたが、いかがでしたか?

ぜひ菊理の雅楽で龍笛の奥深い魅力を感じていただけたら嬉しく思います。菊理の出張演奏やレッスンが気になった方、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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雅楽二重奏「菊理」
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