菊理の『雅楽の楽器解説シリーズ② 篳篥ってどんな楽器?―「大地の人間の声」を奏でる楽器』|イチから習える雅楽教室

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雅楽の楽器と聞いて、どんな楽器を思い浮かべますか?

たくさんの竹が並んだ「笙(しょう)」でしょうか。
それとも、篠笛やフルートのような横笛の「龍笛(りゅうてき)」でしょうか。

今回ご紹介するのは、雅楽の管楽器(かんがっき)のひとつ、縦笛の「篳篥(ひちりき)」です。「ひちりき」という名前を初めて聞く方も多いかもしれません。

左が「笙(しょう)」右が「篳篥(ひちりき)」

でも、一度その音を聴くと、

「この音、どこかで聴いたことがある!」

と感じる方もいる、雅楽のメインメロディー(主旋律)を担当する楽器です。今回は、篳篥の歴史やルーツ、音色、ふしぎな魅力をご紹介します。

篳篥の歴史とルーツ

篳篥は、もともと西アジアに起源を持ち、日本には奈良時代の初めごろ中国を経由して伝わったとされています。

雅楽そのものも、古くから中国大陸や朝鮮半島、インド、ベトナムなどアジア諸国からさまざまな音楽や楽器が伝わり、日本で独自の形に整えられてきました。篳篥もその長い歴史の中で受け継がれてきた楽器です。

古来篳篥には「大篳篥(おおひちりき)」と「小篳篥(しょうひちりき)」という大小二種類ありましたが、現代の雅楽では主に小さい方の「小篳篥」を使い、名称も「篳篥」と呼んでいます。

千年以上の時を超えて、今も私たちの前で古代の人々が聞いていた音と変わらない音色を響かせている。そう考えると、なんだか不思議な気持ちになりますね。

篳篥はとても小さい

現在使われている篳篥は、

長さ:約18cm

ほど。名刺2枚分くらいの大きさです。直径2cmほどの竹でできた細い管に、「蘆舌(ろぜつ)」という葦の茎でできたリードを取り付けて演奏します。管の表には7つ、裏には2つの指孔(ゆびあな)があります。

そして、驚くのがその軽さ。篳篥本体はとても軽く、樹脂製のものでは約17gという製品もあります。

「こんなに小さくて軽い楽器から、あんなに大きな音が出るの?」

初めて持った方は、きっとそう思うはずです。

どうやって音が出るの?

左が蘆舌、右が篳篥本体

篳篥の特徴は、上部についている「蘆舌(ろぜつ)」です。これは葦(あし)の茎を加工して作られたダブルリード構造で、2枚の薄い葦茎が振動することで音が生まれます。

雅楽の世界では葦のことを「よし」と表現します。これは「あし」が「悪し」を連想させることから、これを「よし:良し」と呼ぶという、極めて日本的な考え方と言えますね。

音が出る仕組みとしては、西洋楽器のオーボエに少し似ています。篳篥本体はシンプルな竹の管ですが、この小さなリードが音を生み出す重要な役割を担っています。

篳篥の音色は「大地の人間の声」

篳篥の音を一言で表すなら、

「小さな身体から出てくる、力強い音」

でしょうか。

音色は雄大で鋭さがありながら、どこか哀愁を感じさせる独特の音色で、雅楽では基本的に篳篥が主旋律を担当します。篳篥は「人間の声を表す」と言われるように、少し揺らぎのある音も特徴です。

そう思って聴いてみると、

「なるほど、人間の声みたい!」

と感じるかもしれません。

では実際どんな音色か、菊理の演奏する「篳篥の音色」を聴いてみましょう。
※最初は笙と龍笛の二重奏から始まり→20秒後:篳篥と龍笛の二重奏→篳篥と笙の二重奏へ変わっていきます。各楽器の音色もどうぞお楽しみ下さい。

いかがでしたか?

雅楽の音色には、現代の音楽とは少し違う時間の流れがあります。篳篥の響きを聴きながら、ほんの少しだけ、現代とは違う、ゆったりした時間が流れていた昔の日本に思いを馳せてみてください。それも雅楽の楽しみ方の一つかもしれません。

篳篥の構え方

篳篥は、龍笛のように横に構えるのではなく、顔の前で縦に構えて吹きます。両手の指で表と裏の指孔を押さえながら、上部の蘆舌をくわえて息を吹き込みます。ただし、実際に吹いてみると、

「思ったより難しい!」

という声がよく聞かれます。特に最初は音を出すだけでも、ひと苦労。蘆舌のくわえ方、唇の形、息の強さなど、いろいろな要素が関係するからです。

そして、篳篥ならではの面白い表現のひとつに「塩梅(えんばい)」という奏法があります。唇や息の加減によって音程を微妙に揺らしたり、音と音を滑らかにつないだりする奏法です。

そのため、篳篥はピアノのように「この鍵盤を押せば、この音が出る」という楽器ではありません。自分の息や唇を使って、自分のイメージする音を創っていく。

そこも篳篥の魅力です。

篳篥の演奏を見てみたいと思ったあなたへ

篳篥は、写真や映像で見るだけでなく、実際に目の前で見ると、また違った魅力があります。

・小さな楽器と反比例する大きな音量と迫力
・人間の声のような揺らぎのある音色
・哀愁を帯びた、どこか懐かしい音色

画面から流れてくる音からでは分からない篳篥の魅力。

「実際に雅楽を聴いてみたい」
「篳篥を近くで見てみたい」

そんな方におすすめしたいのが、菊理の「出張雅楽演奏プラン」です。

菊理の出張演奏では、篳篥だけでなく、笙(しょう)や龍笛(りゅうてき)など、さまざまな楽器の音色を一緒に楽しむことができます。

菊理では、企業・団体のパーティー演奏、各種イベント、学校や文化施設の催し、神社仏閣など、さまざまな場所へ出張して雅楽を演奏しています。

会場の雰囲気や目的に合わせて、雅楽の演奏だけでなく、楽器や雅楽の歴史についてのお話を交えたプログラムもご用意しています。普段なかなか見る機会のない笙を、実際に目で見て、その音色を耳で感じる。

雅楽をもっと身近に感じていただくきっかけとして、日本唯一、夫婦のプロ雅楽演奏ユニット「菊理の出張演奏」をぜひご利用ください。

「雅楽を聴いてみたい」というお気持ちから、雅楽との出会いが始まるかもしれません。

篳篥を習ってみたいと思ったあなたへ

対面レッスン

対面レッスンは講師から直接学ぶことができるレッスンです。姿勢や楽器の構え方、息の使い方など演奏の基礎はもちろん、楽器の扱い方、保管方法、長く楽しむためのコツなど、文章や動画だけではわかりにくいところも、一つ一つ確認しながら進めていきます。

「雅楽を習うのは初めて」という方も優しくていねいに学べますので、どうぞご安心ください。

また、楽器をお持ちでない方は「篳篥スタートセット」をご用意しています。お気軽にお問い合わせください。

オンラインレッスン

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パソコンやタブレットを使って、ご自宅などから受講できます。遠方にお住まいの方や、さまざまな事情で外出が難しい方も、ご自身のペースやスケジュールに合わせて、無理なく雅楽を学んでいただけます。

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そんな方にも、雅楽を学ぶ機会を届けたい。それが、菊理がオンラインレッスンを行っている理由の一つです。

グループレッスン(雅楽ワークショップ千里)

「雅楽に興味はあるけれど、どこで習えるのか、体験できるのか分からない…」
そんな方は、ぜひ菊理がプロデュースする雅楽愛好者衆千里の「雅楽ワークショップ」へお越しください。私たちは、日本の伝統文化をより身近に、楽しく繋いでいくお手伝いをしています。

千里の雅楽ワークショップは現在、全国5会場で開催しています。(令和8年9月現在)

  • 芦屋雅楽ワークショップ(兵庫県芦屋市:芦屋神社)
  • 京都雅楽ワークショップ(京都市:安井金比羅宮)
  • 豊橋雅楽ワークショップ(愛知県豊橋市・前芝校区市民館)
  • 浜松雅楽ワークショップ(浜松市・あいホール)
  • 静岡雅楽ワークショップ(静岡市・西部生涯学習センター他)

今回の記事では、篳篥の歴史やルーツ、音色、ふしぎな魅力、雅楽に触れる機会などをご紹介してきましたが、いかがでしたか?

ぜひ菊理の雅楽で篳篥の奥深い魅力を感じていただけたら嬉しく思います。菊理の出張演奏やレッスンが気になった方、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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