平安装束は単品でも購入できます―3年かけて一枚ずつ揃えていった、お客様だけの袿装束
菊理のホームページをご覧いただきありがとうございます。
今回は、これまでに菊理でお誂えいただいた装束を、実際にお召しになったお客様から、とても素敵なお写真をお送りいただきましたので、ご紹介させていただきます。

今回のお写真を拝見して、私たちが感じたのは、装束そのものの美しさだけではありません。一枚の装束を選ぶところから始まり、時間をかけて少しずつ揃えていく――。
そんな楽しみ方の先に生まれた、美しい装束姿でした。
内容
2022年、最初のお問い合わせから始まった装束選び

お客様から初めてお問い合わせをいただいたのは令和4年(2022年)の初夏でした。
以前から平安時代がお好きで、機会を見つけては十二単や壺装束などの装束体験をされていたそうです。
「家でも装束を着れたらいいな」
そんな思いから菊理のホームページを見つけてくださり、「袿」「単衣」「長袴」をセットした「はじめての袿セット」についてお問い合わせをいただいたことが、今回のお誂えの始まりでした。
お問い合わせに菊理からは、
「装束はセットで一度に揃えるだけでなく『まずは袿から』『今回は袴』『やっぱり単衣もほしいな』というように、一品ずつ揃えていく楽しみ方もあること」
をご案内しました。
またお問い合わせをいただいた時期が初夏ということもあって、初夏から晩秋まで長く楽しんでいただける、菊理オリジナルの「透かし織り単衣」についてもご紹介しました。
お客様は「少しずつ装束を揃えていきたい」とお考えになり、時間をかけ慎重に検討されました。菊理も「その方が良いです。焦らずゆっくりご検討ください」と、申し添えさせていただきました。
装束は決してお安いものではありません。菊理は決して無理強いはしませんので、後悔しないよう、じっくりとお考えの上お決めいただければ結構です。
最初にお選びいただいたのは「薄紫色の透かし織り単衣」

その後、お客様から「まずは菊理さんのお薦めの『透かし織り単衣』をお願いしようと思います」とのご連絡をいただきました。ここまでお話が進みましたら実際に生地の色や質感を見ていただけるよう、さまざまな色柄の生地見本をお送りし、ご確認いただきます。
そしてその中から選ばれたのは「薄紫色唐花文様(うすむらさきいろからはなもんよう)の透かし織り単衣生地」でした。

実際の生地を一つひとつ手に取っていただいて、
「やはり第一印象で良いなと思っていた薄紫色の唐花文様にしようと思います」
と、正式にご依頼くださいました。
こうしてその年の夏の盛り、お客様にとって最初の装束の一枚となる「薄紫色の透かし織り単衣」をお仕立て、お納めしました。
そして3年後――「袿も欲しい」と再びご相談をいただきました
薄紫の透かし織り単衣をお納めしてから約3年、令和7年(2025年)の春、お客様から再びお問い合わせをいただきました。
「作っていただいた単衣はとても綺麗で大切にしております」
そして、
「袿を考えているのですが、お値段はどのくらいになりますか」
と。
そこから「袿」のお誂えについてお話が始まりました。お客様の頭の中には、すでに「こんな袿を着たい」というイメージがありました。
・薄桃色の袿に、薔薇色のような濃い桃色のおめり(裏地)
あるいは、
・薄桃色の袿に水色のおめり
色の組み合わせについて迷われながらも、イメージイラストも描いて送ってくださいました。
「どの色にしよう?」――装束を誂える時間も楽しみのひとつ

袿のお値段にも納得されお気持ちが固まったとのことで、袿の表生地見本と「おめり(裏地)」「中陪(なかべ)」の見本生地をお送りし、ご覧いただきました。
袿の色を決めるまでに、いろいろな色の生地見本をあれこれ入れ替えて、何度も表生地に組み合わせていただきます。
桃色、水色、赤、紫、萌黄色……。
実際の生地を手に取りながら、組み合わせを考えていただきましたが、とても悩まれたとのこと。
最初はピンクの向蝶文様が第一希望とお考えになられてみえましたが、実際に袿生地をご覧になり裏地や中陪の生地見本と組み合わせてみて、
「赤の向蝶文様の生地も良いな」
と。そして最終的に選ばれたのが、

袿――赤色地・向蝶文(むかいちょうもん)
中陪(なかべ)――濃い桃色
おめり(裏地)――薄桃色
という組み合わせでした。
「もともと袿生地の希望がピンク色だったし、かわいい雰囲気にしたいので、おめりと中陪をピンクにしてみました」
というお客様。鮮やかな赤に、濃淡の異なる桃色を重ねることで、華やかでありながら、可愛らしさのあるお客様の雰囲気にピッタリの袿になりました。
装束のお誂えでは、こうして「どの色にしよう」「こちらの色も素敵」と悩む時間そのものを楽しんでくださるお客様がたくさんいらっしゃいますし、菊理もそんな悩みも楽しんでいただきたいと思っています。そして、その楽しみは決して現代だけのものではなく、今も昔も変わらないのではないでしょうか。
遥か昔の姫君たちも、同じように楽しんでいたのかも
「今度の袿はどんな色にしよう」
「この表地には、どんなおめりを合わせよう」
「そうしたら、中陪は何色がいいかな」
――。
遥か昔、平安時代の女性たちも、そんなように装束の色合わせを楽しんでいたのではないでしょうか。
当時は装束の色彩や文様に厳格な決まりごとがありましたが、そんな中で色を選び、組み合わせ、そして自分らしい装いを作っていく楽しさは、いつの時代も変わらないものなのかもしれません。
菊理では、伝統的な襲の色目や有職文様を大切にしながらも、現代の感覚で自由に装束を楽しんでいただくことも大切にしています。
4年の時を経て――二つの装束が一つの装いに

、以前お仕立てした薄紫の単衣の上に、今回お仕立てした赤色地に向蝶文の袿をお召しになった、素敵なお写真が届きました。
そして今回お客様から、4年前にお納めした薄紫色の透かし織り単衣の上に、1年前お納めした赤色地向蝶文の袿を重ねて着用されたお写真が届きました。
薄紫色から、桃色がだんだん淡くなり、赤色へ。
鮮やかな赤色の袿の華やかさと、薄紫色の透かし織り単衣の上品な軽やかさが美しく調和し、とても可愛らしく、それでいて優雅な装束姿です。
何より私たちが嬉しかったのは、令和4年に最初の一枚をお納めしてから、4年の時を経て、二つの装束がこうして一つの装いになったことでした。お写真を拝見し、私たちも嬉しく、感動いたしました。
「自分だけの装束」を、少しずつ

平安装束というと、十二単を一式揃えるもの、というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
けれども、お客様のように、まず一枚から始めて、時間をかけて少しずつ揃えていくという楽しみ方もあります。今回のお写真を拝見して改めて感じたのは、装束は「完成したものを買う」だけではなく、自分の好きな色や文様を考えながら、「自分だけの装束」を作り上げていく過程、そのものが楽しみになるものだということです。
「いつか自分だけの装束を持ちたい」
そんなお気持ちがある方には、ぜひ焦らず、時間をかけて一枚ずつ選んでいただきたいと思います。
菊理では、お客様のお好みやイメージ、ご予算などを伺いながら、生地見本をご覧いただいたり、オンラインでお打ち合わせをしたりしながら、装束のお誂えを承っています。
「装束のことは詳しくないけれど、自分の好きな色で作ってみたい」
そんな方も、どうぞお気軽にご相談ください。
お客様、このたびは素晴らしいお写真をお送りいただき、本当にありがとうございました。4年の時を経て、こうしてお二つの装束をお召しになったお姿を拝見できたことを、私たちもとても嬉しく思っております。
これからも、どうぞご自身だけの装束を楽しんでください
「装束がほしいけど、何をどのように注文して良いか分らない」という方のために「色柄」「仕立て方」などの細かな希望や「ご予算」を親切丁寧にお伺いして「あなただけの一着」をお仕立てします。
装束は専門用語が多く、分かりづらいことも多いかと思います。
メールなど、文字や文章ではニュアンスが伝わらなかったり、誤解や思い違いなども起こりやすいので、
お電話や、Zoom、LINEなどのオンラインでもご対応させて頂きます。
できるだけ専門用語を使わず、どんな小さなご質問でも、何回でも、とことんお答えします。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
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