薄紫色に金色菊花文の華やかで凛とした狩衣/狩衣購入の流れもご紹介|装束納品事例

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今回は平安時代の貴族の装束「狩衣(かりぎぬ)」をご紹介します。

そもそも「狩衣って何?」「どこで、どうやって買うの?という基本のキを、ご納品狩衣を例に解説していきます。

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薄紫色の狩衣を着て篳篥を演奏するお客様写真(屋外)

“Kariginu” is casual wear worn by male aristocrats during the Heian period.

「お納めした狩衣装束」

そもそも『狩衣(かりぎぬ)』とは

今から千年前の平安時代、男性貴族の普段着だった着物(装束)が「狩衣(かりぎぬ)」です。

狩衣はひとりでも着ることができ、両わきが大きく開いているため着心地がとても軽やかで快適な装束です

パーソナルなプライベートウェアでしたので、禁色(きんじき)や禁紋(きんもん)など特別な色や文様を使ったもの以外は、好みの狩衣を着ることができました。現代では神社の神主さんや雅楽演奏会などで演奏者が狩衣を着ている姿を見ることができます。

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今回ご紹介する狩衣のお客様は趣味で雅楽のたて笛「篳篥(ひちりき)」を楽しんでおられます。落ち着いた縹色(ブルー)の狩衣をお持ちで、これまで演奏会などではその狩衣を着ておられましたが「持っているものとは違う感じや色目の狩衣が欲しいと思って」と、この華やかな薄紫色の狩衣をご注文頂きました。

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『狩衣ってどうやって買ったらいいの?』

そもそも狩衣などの時代装束は、一般的な呉服屋さんや百貨店の着物コーナーでは販売していません。また基本的には既製品は無いんです。

え~!じゃあ狩衣って、どうやって買ったらいいの?

まずは、お客様の思う色柄やイメージを伺って
①どんな色や柄がお好みか
②仕立ての方法
③特別なリクエスト
など、お客様と相談しながら作っていくんだ

さまざまな色柄の狩衣生地見本

今回のお客様は菊理の雅楽教室の生徒さんでもあるので、レッスンの時にさまざまな色柄の生地見本を会場にお持ちし、他の生徒さんたちと共にご覧いただきました。


・画像では分からない実際の色柄
・生地の質感
・自分の肌色と相性が良いか

など、選ぶ時のポイントをお伝えしながら、生地見本を実際に見てさわって選んでいただきました。

くすみカラーを中心とした狩衣ラインナップ

彩度が低くスモーキーで落ち着いた色合いを中心とした色見本。

鮮やかではっきりした色の狩衣ラインナップ

また、逆に鮮やかでハッキリとした色合いもご用意し、候補を絞っていきます。

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落ち着いた色合いの狩衣ラインナップ

「やっぱり実物を見られて良かった」実際に生地見本をご覧いただいたことで納得され、一番お気に召したという「薄紫色」の生地で狩衣の製作をご依頼いただきました。

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『狩衣』を細かく見てみよう

狩衣にはさまざまな色柄があり、同じ生地でも文様が「金色」か「銀色」かで、見た目の印象がまったく変わってきます。
この色選びが装束を仕立てる最大の楽しさとも言えます。きっと平安貴族たちも、現代の私たちと同じように色の組み合わせを楽しんでいたことでしょう。

装束の柄のことを「有職文様(ゆうそくもんよう)」といいます。有職文様とは平安時代以来の朝廷や公家が装束や調度品に用いてきた模様で、多くはシルクロード伝来の縁起の良い吉祥文様です。長い歴史をかけて日本人の美意識に合わせて受け継がれてきた素晴らしい文化でもあります。

【今回の狩衣の詳細】
・薄紫色立涌文地に金色菊花文の狩衣(うすむらさきいろ たてわくもんじに きんいろきっかもんの かりぎぬ)
・袖括りの緒:古代紫と白色の平紐

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お客様のお写真

同じ狩衣でも屋外の明るい太陽の光の下と、屋内の照明器具による灯りによって印象は大きく変わります。記事冒頭の屋外で撮影した写真では薄くピンク色がかった可愛らしい印象に、下記の屋内で撮影した写真ではしっとり上品な印象になっていますね。

また狩衣の生地は縦糸と横糸の色は別々の色で織られており、見る角度によっても見え方が変わりますし、文様は「浮き織り」という特殊な織り方で、文様が浮き上がって見えるようなになっています。

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お友達との記念撮影(屋外)

上の写真は雅楽のお仲間ご一緒での記念撮影。右の女性も菊理の雅楽教室の生徒さんで、ブルーグレー色の狩衣も菊理が製作させていただいた装束です。こちらのブルーグレーの狩衣については下記リンクからどうぞご覧ください。

ブルーグレー色狩衣についての記事はこちらをご覧ください

ここで狩衣好きな方必見! 菊理の雅楽教室で雅楽を習えばコスプレじゃない本物の狩衣や装束を着て、大勢のギャラリーの前で演奏できますよ

「雅楽(ががく)」ってどんな音楽?と思われた方はぜひ雅楽が体験できる「雅楽ワークショップ」 へご参加くださいね

“Kariginu” is casual wear worn by aristocrats a thousand years ago. We produce “Kariginu” in various colors and patterns for both adults and children. Please contact us.
“Kariginu”是一千年前贵族所穿的休闲服装。 我们为成人和儿童生产各种颜色和图案的“Kariginu”。 请联系我们。

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【菊理がご提案する装束のポイント】

化繊をオススメ・・・なぜ?

・お手入れが楽! ・発色が美しく写真映え! ・正絹より価格が抑えられる!

化繊生地であっても正絹生地と変わらぬ工程で織られ、文様(生地の模様)も伝統ある有職文様を織り込んでいます。
そのように丁寧に織られた装束生地を、日本の装束職人が、真心込めて丁寧に仕立てますのでご安心ください。

「装束がほしいけど、何をどのように注文して良いか分らない」という方のために

「色柄」「仕立て方」などの細かな希望や

「ご予算」を親切丁寧にお伺いして

「あなただけの一着」をお仕立てします。

装束は専門用語が多く、分かりづらいことも多いかと思います。
メールなど、文字や文章ではニュアンスが伝わらなかったり、誤解や思い違いなども起こりやすいので、
お電話や、Zoom、LINEなどのオンラインでもご対応させて頂きます。

できるだけ専門用語を使わず

どんな小さなご質問でも

何回でも、とことんお答えします。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

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