ブルーグレー色に白色雲鶴文の上品で洗練された狩衣|装束納品事例

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この記事では、令和6年NHK大河ドラマ「光る君へ」で注目を集めている、平安時代の貴族の装束「狩衣(かりぎぬ)」をご紹介します。

そもそも「狩衣って何?」「どこで、どうやって買うの?」という基本のキを、菊理がお客様にご納品した狩衣を例に、お客様が装束を着て雅楽(龍笛)を演奏してみえる姿を撮影したお写真を使って解説していきます。

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龍笛を持ちブルーグレー色の狩衣を着たお客様写真(屋外)

“Kariginu” is casual wear worn by male aristocrats during the Heian period.

「お納めした狩衣装束」

そもそも『狩衣(かりぎぬ)』とは

今から千年前の平安時代、貴族がカジュアルウェア(普段着)として着用していた着物(装束)が「狩衣(かりぎぬ)」です。

狩衣はひとりでも着ることができ、両わきが大きく開いているため着心地がとても楽で軽やかな装束です。平安時代の男性貴族のプライベートウエアでしたので、特別な色(禁色)と特別な文様以外は、好みの色や柄のものを着ることができました。現代では神主さんや雅楽を演奏する人などが狩衣を着用したりしますので、神社や雅楽演奏会でその姿を見ることができます。

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ここにご紹介するお客様は雅楽の横笛「龍笛(りゅうてき)」を趣味で楽しんでおられ、これまで演奏会や発表会などの演奏機会では、菊理から狩衣をレンタルされておられました。「でも以前から自分のマイ狩衣が欲しいと思ってた」と、お気に入りの自分だけのマイ狩衣をご注文頂きました。

『狩衣ってどうやって買ったらいいの?』

そもそも狩衣などの装束は、一般的な呉服屋さんや百貨店の着物コーナーでは購入出来ません(売っていません)。それに、基本的には既製品は無いんです。

え~!じゃあ狩衣って、どうやって買ったらいいの?

まずは、お客様の思う色柄やイメージを伺って
①どんな色や柄がお好みか
②仕立ての方法
③特別なリクエスト
など、お客様と相談しながら作っていくんだ

今回のお客様は菊理の雅楽教室の生徒さんでしたので、さまざまな色柄の生地見本をレッスン会場でご覧いただき
・画像では分からない実際の色柄
・生地の質感
・自分の肌色と相性が良いか

選ぶポイントをお伝えしながら、生地見本を実際に見てさわって選んでいただきました。

くすみカラーを中心とした狩衣ラインナップ

「私、くすみカラーが好きなんです」
そんなご希望を伺っていましたので、彩度が低くスモーキーで落ち着いた色合いを中心に色見本をご用意。

鮮やかではっきりした色の狩衣ラインナップ

また、逆に鮮やかでハッキリとした色合いもご用意し、候補を絞っていきます。

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落ち着いた色合いの狩衣ラインナップ

実際に生地見本をご覧いただいたことで「やっぱり実物を見れて良かった」「改めて私の好みがはっきりしました」と納得され、一番お気に召したという「ブルーグレー色」の生地で、狩衣の製作をご依頼いただきました。

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『狩衣』を細かく見てみよう

狩衣にはさまざまな色柄があり、同じ生地でも文様が「金色」か「銀色」かで、見た目の印象がまったく変わってきます。
この色選びが装束を仕立てる最大の楽しさかもしれません。きっと平安貴族たちも、現代の私たちと同じように色の組み合わせを楽しんでいたことでしょう。

装束の柄のことを「有職文様(ゆうそくもんよう)」といいます。有職文様とは平安時代以来の朝廷や公家が装束や調度品に用いてきた模様で、多くがシルクロード伝来です。長い歴史をかけて日本人の美意識に合わせて受け継がれてきた素晴らしい文化でもあります。

【今回の狩衣の詳細】
・ブルーグレー色地に白色雲鶴文(うんかくもん)
・袖括りの緒:古代紫と白色の平紐

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お客様のお写真

ブルーグレー色の狩衣を着て龍笛を演奏するお客様写真(屋内)

同じ狩衣を屋内で見た感じと、屋外で見た感じでは大きく違って見えます。これは明るい太陽の光の下と、屋内の照明器具による光に加減によるもので、この記事の始めの方の屋外写真と見比べてみてください。同じ狩衣なのに、屋外では華やかに見え、屋内ではしっとり落ち着いて見えますね。

また、狩衣の生地は縦糸と横糸の色は別々の色で織られており、見る角度によっても見え方が変わりますし、文様は「浮き織り」といって、文様が浮き上がって見えるような特殊な織り方になっています。

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お友達との記念撮影(屋外)

上の写真は雅楽仲間との記念撮影の一コマ。実は左の女性の薄紫色の狩衣も新調されたもので、菊理が製作させていただいた装束です。こちらの狩衣についても近日中にご紹介させていただきますのでお楽しみに!

ちなみに狩衣好きな方必見!雅楽を習えばコスプレじゃない本物の狩衣や装束を着て、大勢の前で演奏発表できますよ!「雅楽(ががく)」ってどんな音楽?と思われた方はぜひ雅楽が体験できる「雅楽ワークショップ」 へご参加くださいね

“Kariginu” is casual wear worn by aristocrats a thousand years ago. We produce “Kariginu” in various colors and patterns for both adults and children. Please contact us.
“Kariginu”是一千年前贵族所穿的休闲服装。 我们为成人和儿童生产各种颜色和图案的“Kariginu”。 请联系我们。

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【菊理がご提案する装束のポイント】

化繊をオススメ・・・なぜ?

・お手入れが楽! ・発色が美しく写真映え! ・正絹より価格が抑えられる!

化繊生地とは言え機織りは正絹生地と変わらぬ工程で織られ、文様(生地の模様)も伝統ある有職文様を織り込んでいます。
そのように丁寧に織られた装束生地を、日本の装束職人が、真心込めて丁寧に仕立てますのでご安心ください。

「装束がほしいけど、何をどのように注文して良いか分らない」という方のために「色柄」「仕立て方」などの細かな希望や「ご予算」を親切丁寧にお伺いして「あなただけの一着」をお仕立てします。

装束は専門用語が多く、分かりづらいことも多いかと思います。
メールなど、文字や文章ではニュアンスが伝わらなかったり、誤解や思い違いなども起こりやすいので、
お電話や、Zoom、LINEなどのオンラインでもご対応させて頂きます。

できるだけ専門用語を使わず、どんな小さなご質問でも、何回でも、とことんお答えします。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

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